被災地から状況を伝える仕組みが未だに整っていない現実
実体験で知った、被災地の実情
1997年1月発生したナホトカ号重油流出事故の重油回収ボランティア(福井県三国町)に参加しました。
(勤務先のドコモ中央から、携帯電話と衛星電話キットを借り受け現場に7日間滞在しました。まだ携帯電話を持たない人のほうが多く、電話料金も今程安くなかったのでパトロールや本部等で活用してもらえました。)
阪神淡路大震災でボランティア活動していた方が経験を生かし現場を仕切っておられました。
着いた時点では、死亡者が出るほど過酷な労働といわれた汲み取り作業は終わっていて、主に岩に着いたどす黒い油を拭き取る作業に切り替わっていました。僕も最初その作業に携わりましたが、現場の状況を伝えるインターネットサイト更新作業があることを知らされ、デジカメで写真を撮り、清掃の進捗状況をHPに更新する作業を対策本部のあったプレハブ小屋で滞在最終日まで受け持ちました。(前任者が去った後で手順書も見あたらなかったので戸惑いました。)
現場では、遠方から参加しても天候が悪く、数日間なにも作業できなかったり、どういう作業を行っているか現場に行かないとわかりません。
宿泊施設の過不足の状況が何も伝わっていなかったため、泊まるところは自分で確保しなければならないケースもあったようです。
どんな物資が必要かが世間に伝わらず、全国から届けられた不要な衣類等が山積みになっていました。
この時点では、風評被害で客足が遠のいてしまった近辺の宿に宿泊客としてお金をおとすことが清掃活動よりも最も歓迎される行為ということを告げられました。
誰がどう行動すべきなのか誰もわからない
マスコミの報道は、間違ってもいないが正しくもなく過剰に深刻な面が強調されていました。
美浜町やその他の地区 も同じ被害を受けましたが報道は三国町に偏っていたようです。
緊急を要する場合、人命救助と災害復興に集中できるリソース(人+モノ)と環境(情報を含む)が必要です。しかし危機に直面しても判断が遅れがちな行政には期待できません。自衛隊、消防の手が足らない場合や、パッケージ化された民間の危機対策サービスでまかないきれない場合はどうすればいいのか。
その場所が今どんな状況かを、現場の当事者、責任を持てる人が自ら情報を伝えるべきだと思います。
体験から生まれた、TSUDOI
こういう体験もあって形にしたのがTSUDOI(つどい)です。情報を整理して伝え、タイムリーに知ることができれば、物資も人材も適切に動くことができて、あらゆることが好転します。
普段は地域社会の情報流通に使い、実際に災害が発生した時に避難所や対策本部からのダイレクトな支援要請やメッセージを伝えることができます。
もしも大地震が起き、あなたが「助けたい」と思ったとします。
複数の場所で助けが必要である場合、一番近くの被災地にかけつけたり、少し遠くても子供やお年寄りが多く住んでいる場所を優先したり、チカラ作業が必要な場所、ここでは炊き出しで料理人が必要、医者が何人必要、など自分が最も役立つ場所を選択できます。
一般のインターネット掲示板サービスなどで連絡しようとしても、個人の沢山の書き込みがあり埋もれてしまいます。地域限定SNSやポータルサイトなどでは、機能や情報が多過ぎるために埋もれてしまいます。TSUDOIの情報は決して埋もれることがなく、自治体の境を越えてメッセージは必ず表示されます。
災害が報道されなくなっても、仮設住宅の生活者を支援でき、また現場からの復旧情報を伝えることができるなら風評被害も抑えられるでしょう。
普段から地域で顔をあわせていれば、災害が来ても積極的に支え合えるに違いありません。
助けられる命は守り抜かなければなりません。
参考 神戸 震災をのりこえて 今、私たちにできることを(株式会社シースカイ 岡 二郎様の体験)
